経過報告
熊本県水俣市は九州山地の南西端に位置し、山地が海まで迫るため平地が少なく、短く急な河川と急斜面が多い地形です。この水俣の鬼岳(おんたけ)と鹿児島県にまたがる郷田山の標高600m以上の溶岩台地に150m級風車30基が計画されています。
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水俣は雨が多く、山が海に迫り、森林と水をためやすい地質がそろっているため、湧水や河川水が豊富と感じられてきました。ただしその水は、背後の山地に降った雨が森林に蓄えられ、水俣川などの短い河川を通じて供給される「山地型水源」に支えられています。そのため、上流の森林環境が水量と水質を直接左右します。森林の劣化・大規模伐採・尾根筋の改変造成は、水源量の不安定化・濁水リスク増大に直結します。
2026年1月11日に北園芳人先生(熊本大学名誉教授)鈴木猛康先生(山梨大学名誉教授)と地元の地学研究者長峰智先生、水俣市住民らが風力発電事業計画地の現地調査実施(2026.1.11)しました。
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現地に行かれた鈴木先生は「山の頂上付近を皆伐し、開発を行うと、保水力を失った山からは、大雨で大量の雨水が表面を流出し、斜面を崩壊させながら沢から河川へと洪水・土石流となって流れます。一方たくさん存在する湧水からは水量が減り、水質が悪化するでしょう。」とコメントしておられます。
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【鈴木猛康先生コメント抜粋】
いろいろな現場を見ているんですけれども、安山岩溶岩がこのような風化を受けて、横と縦と言いますか、板状とそれから柱状に細かい節理ができて風化している様子というものは、私は初めて見ました。こういうものが急斜面から雪崩のように落ちているような現場というものは、本当に被災地に行かないと目には留まらないんです。景観上も珍しい貴重な所に、10数基も43メガくらいの大きな風車が建つというのは、施工に関してどういう処理をするのかで不安になるんですよね。
(水俣は)山全体が水を蓄えるような構造になっています。そこにあれだけの規模の開発を全部で五十数万立米の土を動かすわけですよね。そうした場合に、多分これまでの水を貯める山ではなくなるんじゃないかと思います。水を貯められないということは、この豊富な湧水、それが栄養源。栄養塩がいっぱい含まれた水が海に流れて、海の栄養を蓄えて幼魚が育つような環境をつくってきたこれまでの非常に豊かな海というものが損なわれていくというふうに直感的に思いました。
皆さん、土砂災害を気にされていますが、当然ながら作業道路をつくったところから崩壊が始まります。最初は1カ所、2カ所かもしれませんけれども、気がついたら3メーターとか4メートルぐらいの大きな石の塊が流れてきて川をせき止める。これが大水のときに流れてくるというようなことがきっと起こると思います。
それから、残念ながらこれまで非常にきれいで栄養源が豊富な地下水が出てきたわけですけれども、これが濁って非常に危険な、処理されていないような窒素とかアンモニアが含まれたような水に変わってくるのではないかと思います。